逸話の真実は?
ファインディング オルソの中には、多くの歯科の用語、歴史が引用されています。それらの数々の逸話の中から、代表的な質問にお答えします。

【人物編】

  • キングスレー先生(Dr. Norman Kingsley)

    • 実在のキングスレー先生は、19世紀後半のアメリカの歯科界に大きな影響を人物で「矯正歯科の恩人」と呼ばれています。彼は、矯正歯科を系統的に記述した最初のテキスト「Oral Deformities」を刊行した。彼は、歯科医師であると同時に、著名な彫刻家、芸術家でもあった。ニューヨーク大学歯学部長を務めた。

  • アングル先生(Dr. Edward H. Angle)

    • 近代矯正歯科学の父と仰がれている、矯正歯科を学ぶものなら誰しも知っている人物。自ら最初の矯正歯科専門医になった。アングル先生は、1905〜1928年にかけて、セントルイス、コネチカット、そしてカリフォルニアのパサディナで矯正歯科の学校を開き、そこで、草創期のアメリカの矯正歯科専門医が育てられた。現在、アングル学校は、アングル学会となり、世界中に支部を持つ矯正歯科界でもっとも権威のある学会になっている。アングル先生は、哲学者ルソーの影響とその時代の生物学的概念の影響を強く受け、非抜歯治療を強く主張した。

  • ツイード先生(Dr. Charles Tweed)

    • アングル先生の最後の弟子の1人。アングル先生の死後、彼は再発をきたした多くの患者について抜歯による治療を決意した。4本の第一小臼歯が抜去され、歯の配列と牽引が行われた。再治療後、彼は、咬合が最初の治療よりはるかに安定していることを見出した。それ以後、アメリカの矯正歯科学に劇的な変化が生じ、1940年代後半までに抜歯治療が広く普及した。

  • ウエルペル教授(Prof. Wuerpel)

    • アングル先生と交流のあった当時の著名な芸術家。若い頃のアングル先生は、理想的な歯の咬合を追い求めるなかで、理想的な顔の形を探求することにも努力を傾けた。完全な顔についてウエルペル教授に助言を求めると、彼は一笑に付した。ウエルペル教授は、「任意の1つの顔の形を理想的な顔立ちとして指定するには、人間の顔はあまりにもバラエティに富むため不可能である。」と答えたのであった。この言葉をかみしめながらアングル先生は、最終的に歯並びと顔の美しさに関する自分なりの解等を導き出した。

  • マキネン先生(Dr. Kauko Makkinem)

    • キシリトールの虫歯予防効果を実証した最初の研究トゥルク・シュガー・スタディーを始め数多くのキシリトール研究で知られるキシリトール研究者の第一人者。フィンランド人。最近では、ロッテのTVCMにも出演し日本国民にもよく知られる人物となった。フィンランドのトゥルク大学にあるIIPD(国際予防歯科研究所)の初代所長として予防歯科教育にも努めている。IIPDの研修コースには、日本からも多くの歯科医師、歯科衛生士が参加し、日本における予防歯科の普及の一役を担っている。

  • オブゲザー先生(Dr. Obwegeser)

    • ヨーロッパの口腔外科医。1959年にDr.Taunerと考案した下顎枝矢状分割骨切り術(S.S.R.O)は、顎整形手術の新時代画するものとなった。この方法は、口の中から手術を行うもので皮膚に傷跡が残る恐れがなくなった。また、この方法は、下顎骨の発育不良にも過成長の治療にも応用できる生物学的に無理の無い方法として世界中に広まった。

  • クラーク (J. Kilian Clarke)

    • イギリス人。1924年にヒトの虫歯病巣深部より未知の連鎖球菌Sroreptococcus Mutansを世界で初めて分離した。しかし、当時の学会は、乳酸桿菌が虫歯の原因菌と考えられていたため、彼の研究は注目されなかった。その後、ミュータンス菌のことは忘れられていたが、1968年なって各国で相次いでヒトに特有の虫歯の原因菌が分離された。それは、クラークが指摘したミュータンス菌と一致、以後、虫歯の原因菌はミュタンス連鎖球菌と呼ばれるようになった。クラークの発見から44年後のことであった。
<参考文献>

新版プロフィットの現代歯科矯正学」:William R. Proffit著,高田健治 訳,クインテッセンス出版(東京),2004.

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